ベトナムでの会社設立の流れについて
記事の目次
ベトナムでの会社設立の流れを理解する。
- ベトナムで会社を設立したいので設立までの流れを把握したい。
- 会社設立の流れが複雑なので、わかりやすく説明してほしい。
1. ベトナムでの会社設立までの4つのフェーズ
1. 事前調査
まずベトナムで会社を設立するために「調査」を行います。具体的には自社が行いたい事業を明確にしてその事業内容についての規制内容について調べます。どのようなライセンスが必要なのか、外資100%で設立が可能か、設立の諸条件は何か、等です。条件がわかったあと、具体的な進出形態について検討します。
2.書類準備
次に日本で提出するための書類を用意します。提出書類は自社で用意するだけでなく公証役場等に出向いて公証を得る書類も多く、時間と労力を要します。書類に不備はないよう入念な確認が必要なため、2週間から1ヶ月程度を見ておくと良いでしょう。
3.書類審査
書類が用意できましたらベトナムに書類を送り、ベトナムの公的機関にて審査を受けます。詳しくは後述しますが主にIRCとERCという2つの書面を得る必要があり、ライセンス取得の難易度にもよりますが大体1ヶ月から半年ほど要します。ERCが発行された段階で、正式に会社が設立されたことになります。
4.会社設立
- 事前調査→ 進出形態を決めるまで。
- 書類準備→主に日本で書類を揃える。
- 書類審査→ベトナム側に書類を提出し、審査を受ける。
- 会社設立→設立後は会社情報を公示したり、銀行口座を開設する。
2.ベトナムでの会社設立の流れを11のステップで解説
次に上記の4つのフェーズを11のステップに分けて詳しく解説します。
1.各種規制を調査
2.会社形態を選択
3.オフィス契約*(重要)
4.会社名の決定
書類申請時に会社名を決めておく必要があります。会社名が登録できかどうかは公的なWEBサイトで確認することができます。
5.必要書類の準備・作成・翻訳・公証*(重要)
ステップ4まで終えましたら、必要書類を準備します(実際は要件が固まった段階で準備します)。提出する書類は主に個人名義か法人名義(つまり子会社の設立)かによって異なります。
またただ書類を準備するだけでなく、日本とベトナムの両方での公証が必要となり時間・労力ともに必要です。公証がすみましたら書類を翻訳してベトナムで管轄の省庁へ提出します。
6.IRC(投資登録証明書)の申請/発行*(重要)
書類が揃いしましたら投資登録証明書(IRC)を申請・発行を行います。進出分野や投資額によって取得するための期間が異なります。書類内容や担当者によっては何度も修正を要求される場合があり、最も時間を要するプロセスです。またベトナムは公的機関でも多分に属人的な判断があるため、スムーズに進めるためには現地機関とのコネクションも重要です。
7.ERC(企業登録証明書)の申請/発行*(重要)
IRC取得後、企業登録証明書(ERC)の申請・発行を行います。この書類が発行されることで企業の登記手続きは完了となり、会社が設立されたことになります。この書類は会社設立後も、さまざまなシーンで使用することがあり大変重要な意味を持ちます。
8.国家情報WEBサイトへ内容掲載
ERC取得後、国家情報WEBサイトに会社情報を登録します。
9.印鑑の作成
社印を作成します。ベトナムでは印鑑は日本と同じように重要な意味を持ちます。
10.国家情報WEBサイトへ印鑑登録
11.銀行口座の開設
最後に銀行口座を開設します。銀行口座は資本金等を預け入れる「資本金口座」と日常的に使用する「経常口座」の2つがあります。また会社設立後90日以内に資本金を資本金口座に入金する必要があります。
まとめ|ベトナムでの会社設立の流れ
- 設立前に、規制を確認することが重要。
- 書類を提出する前にオフィス契約が必要。
- 日本で準備する書類は公証手続き等があり煩雑で時間を要する。
- IRC/ERCの2つの重要書類がある。